元気な農業で地域豊かに
JA自己改革をしっかり後押し
持続可能な農業・農村の発展に向けて、家族農業や中小規模など多様な経営が維持・発展し、中山間地を含む生産基盤を次世代に継承するための農政の方向性とは。藤木しんや議員と自由民主党政務調査会長の岸田文雄衆議院議員が対談しました。
世界に誇れる日本農業
- 岸田 日本農業の足腰を強くし、競争力を高めて輸出を拡大していくため、昨年12月に総合的なTPP等関連政策大綱を閣議決定しました。さらに、新たな食料・農業・農村基本計画を踏まえ、国内農業を次の時代に飛躍させるためにもしっかりと政策を推進し、世界に誇れる日本農業を目指します。
外務大臣在任中、和食がユネスコの無形文化遺産に指定されました。日本の食は今、世界で注目を集めており、世界に日本の農業を売り込む絶好の機会です。そのためには、ブランド化や規格・認証、GIなどの知的財産を活用した輸出戦略を政府が推進していく必要があります。 - 藤木 農林水産物輸出額が1兆円を超えて次の目標に向かっていけるようになると、農家は勇気づけられるのではないでしょうか。「あとを継ぎたい」と若者が農業に夢と希望、誇りと情熱を持てるようにしなければなりません。
家族農業どう守る
- 岸田 日本農業は、家族農業や中小規模の経営を中心に、大規模農業や中山間地農業など多様な取り組みがあるのが強みです。多様性を維持するためにも、最新の技術・イノベーションをしっかりと展開させていくことが、大きな可能性につながります。
- 藤木 人手不足が深刻化し、スマート農業が脚光を浴びています。今後、ロボットトラクターのような自動制御の機械の増加が、人手不足解消の鍵をにぎります。特に中山間地にどれだけスマート農業を導入できるのかが重要です。
- 岸田 近年、自然災害が多発しており、食料安全保障の観点からも持続可能な食と地域を考えなければなりません。地域の中心はやはり農業だと思います。農業は食料供給に加えて、農泊や棚田のような観光や、自然環境の保全など多様な役割を担っており、持続可能な開発目標(SDGs)や地方創生にも大きく貢献できます。
- 藤木 そのためには、産業政策と地域政策を車の両輪として運用し、農家の皆さんにその内容を分かりやすく発信することが重要です。今、JAの青年部や女性部でSDGsをテーマにした議論が深まってきています。日本の農業も持続可能性を重視し、力を発揮していく必要があります。
総合事業が地域支える
- 岸田 JAは、地域を支える重要な役割を担っています。自民党政務調査会長として、昨年の参議院選挙の公約で、准組合員の問題などは組合員の皆さんの自主的な判断にゆだねられるべきであるとしました。JAの自己改革については、JAの皆さんの取り組みが円滑に進むよう、しっかりと後押しします。
- 藤木 JAは総合事業として地域の生活インフラを担い、豊かな地域づくりに取り組んでいます。地域の伝統や文化、生活を守るためにも農業に元気がないとだめです。ぜひ応援してください。
- 岸田 日本農業をけん引するJAが元気になれば、農業所得増大、生産力拡大とあわせて地域の活性化にもつながっていきます。JAの皆さんと共にわれわれもしっかり努力していきたい。私も頑張ります。