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集落調査継続求める/研究者らが要望書 代替案も不十分(日本農業新聞)

藤木政務官(左)と集落調査の廃止方針について意見交換する海老澤名誉教授(9日、東京・霞が関で)

 農水省が廃止を提起した「農業集落調査」の継続を目指し、署名活動をしてきた研究者らが9日、同省の藤木眞也農水政務官に署名簿や要望書などを提出した。同省が8日に示した同調査の代替案についても、地域政策を推進していく上で不十分な点が多いとして、調査を従来通り継続するよう訴えた。

 署名活動を主宰してきた早稲田大学の海老澤衷名誉教授らが9日、東京・霞が関の同省を訪れ、藤木政務官と面会。調査継続を求める要望書の他、7日までにオンラインで集めた1131筆の署名、同調査を活用した2800件余りの研究実績のリストを手渡した。

 同調査では集落の寄り合いの議題・回数、実行組合の有無などを把握する。要望書では、過疎対策や災害時に孤立する可能性のある集落についての政府調査でも集落調査のデータが活用されているとし、廃止は政策への弊害があると指摘した。

 面会後に記者団の取材に応じた東京大学大学院農学生命科学研究科の戸石七生准教授は、同省の代替案について言及。「農林業経営体調査」に集落調査での主な質問項目を組み込む同省の案は、JAの末端組織でもある実行組合の有無が調査項目に入っていないなどで「問題点が多い」との認識を示した。

 【2022年11月10日付日本農業新聞掲載】

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