日米欧など20カ国・地域(G20)は28日、農相会合を開いた。ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ世界の食料安全保障の確保について議論したが、会合にはロシアも参加していることなどから全会一致での共同声明には合意できなかった。藤木眞也農水政務官は、ロシアのウクライナ侵攻を非難し、持続可能な農業の重要性を訴えた。
会合はインドネシア・バリで開かれ、藤木政務官はオンラインで参加。議長国のインドネシアは、近日中に議長総括を公表する見通し。藤木政務官は、ロシアの侵攻は国際法違反であり、食料安保に悪影響を及ぼすと非難。多くの参加国もロシアへの非難の声を上げた。
藤木政務官はまた、世界人口の増加を踏まえた食料の増産と、気候変動に配慮した環境負荷を低減した農業生産を両立する必要があると強調。各国が農業資源を持続的に活用していくことが、食料安保の強化につながると指摘し、ドローンなどスマート農業技術の活用が重要な要素になると訴えた。
日本側は当初、野中厚農水副大臣が現地に赴いて参加する予定だったが、新型コロナウイルス感染症への感染が確認されたため、急遽、藤木政務官がオンラインで出席した。
【2022年9月29日付日本農業新聞掲載】