参院選比例代表で、全国農政連が推薦する藤木眞也氏(自・現)が2回目の当選を果たした。地元・熊本のJA熊本経済連ホールにはJA関係者約120人が集まった。午後8時10分に当選確実の一報がテレビで流れると大きな歓声と拍手に包まれた。
藤木氏は「選挙戦では全国の農家から悲痛の叫びを耳にした。皆さまの課題解決に尽力していく。生涯一百姓として国会の中で仕事を頑張りたい」と意気込みを述べた。
藤木氏は同県嘉島町などで水田8ヘクタール、肉牛800頭の経営をする農家の出身。選挙期間中は農家の声を聞くことを最優先に、妻の陽子さんと2人で全国42都道府県を遊説した。JAを基点として、食料安全保障や農家の所得向上の必要性を訴えた。
関係者は「藤木氏は農家の苦しさを知っているので、青壮年部や女性部などに共感が広がった」と話す。
駆け付けた全国農政連の宮本隆幸副会長は「農家の声のバトンを藤木氏に任せたい」と期待を示した。/ 全国農政連の山野徹会長は「藤木氏の当選をうれしく思う。厳しい暑さの中、食料安全保障の強化を訴えながら全国を回った。円安やウクライナ危機による資材高などで苦しむ農家の現状を聞き、前回以上に大きな期待を寄せられたと聞く」と語った。その上で「1期目に培った農政の手腕を発揮して、しっかりと農家の負託に応えてほしい」と述べた。/ 東京・大手町ではJA関係者らが開票速報を見守った。JA全中の中家徹会長は「肥料高騰など農政課題が山積しており、2期目に大いに期待している。食料安全保障を前面に出して頑張ってほしい」と再選を祝った。
【2022年7月11日付日本農業新聞掲載】